アルシャードセイヴァー『キズナ』
GM、ベベ。

胎の内に奈落を宿す一族の女。
その一族の女は奈落と生き、次の身にその奈落を憑かせ、外の人間の一生とは短い人生を送り、死ぬ。
彼女らは何度も涙を流した。産みの涙を、痛みの涙を、悲しみの涙を。私の仔にはこの痛みを受け継いでほしくない……。しかし、彼女らの願いは届かない。それはこの一族の使命、宿命、命を賭さねばならない、なぜなら、そうしないと世界が終わるから……。

東堂オユウ、彼女が今代の「奈落」の継承者。
齢は18普通ならば大学受験のために勉強しているはずだが、彼女は内なる痛みと闘っていた。
「……!!、  !?」
するどい痛み、それが唐突に始まり、終わる。そんな痛みがあるため、満足に外も歩けない。
「お嬢様」
襖の向こうから声。
「ハァハァ……、どうぞ」
「おきゃくさまg……」
「おねぇちゃん!!」
屋敷の者の声を遮り、入ってきたのは、煌堂(こうどう)ミラ。オユウの後輩に当たる少女、中3。
「あら、ミラちゃん。どうしたのぉ?」
ミラはオユウの護衛にやってきたという。オユウの身に危険が迫っているからだということだ。
「やぁ、こんにちは」
「どぉもどぉも」
鬼のような図体のした男と、怪しげな関西弁を話す男が部屋に入ってきた。彼らもミラとは別の組織から派遣された護衛だという。


「わたくし、今代祁答院家の当主となりました。祁答院要(けどういん かなめ)と申します。以後、お見知りおきを」
祁答院家当主の要が東堂家当主ヌケサクへと挨拶をしている。東堂家はここら一帯を束ねる大地主なのだ。
「ほっほっほ、よいよい、がんばりたまえ」
と、適当な答えをする東堂家当主に頭を下げている祁答院家当主は内心ほくそ笑んでいた。
(ここから征服していけばいい……)


「おや、懐かしい顔が」
鬼のような男、エセ関西人、ミラ、オユウの集まっている部屋に顔を出したのは、東堂家の管理している土地で最も大きい神社の宮司、神樹ナギだ。
「どなたですか?(だれだろう、この人どこかで会ったことあるような……)」
「……わからないなら、いいんだ」
と、ナギは顔を外へと向ける。
「あぁ、そろそろ夕飯の準備をしないと……」
と、オユウは立ち上がる。
「あ、あたしもいくよー」
と、妹のように慕ってミラはついていく。
「私もいこう……」
そういって鬼男、九鬼(くき)がオユウの後ろへと付いていく。
「あんたはいいのよ!!」
「そうはいきません、これも任務なので」
「じゃあ貴方は外よ!!」
「しかたありませんね、何かあったら読んでください」
そう、言いあいながら彼らは台所へと向かって行った。

「なんなんや、彼らは?あ、わては、ミキ タクミといいまんね」
「わたしは神樹という。それはそうと、今回の件は調べることがありそうだな……」
「あんさんもそうおもいますか」
ミキの口調はおちゃらけたものだが、クエスターとしての使命感にあふれた声になっていた。
「色々とひっかきまわしてみましょかいな……」
「私も動こう」


彼ら5人の任務
煌堂ミラ=オユウの護衛。
神樹=当主ヌケサクを見極める。
九鬼=東堂セイジの見極め。
ミキタクミ=東堂ジョセフを見極める。
祁答院要=東堂家を見極める。


彼ら5人は任務のため、護衛の間に色々と探して回った、東堂家の歴史、一族、ユウカ、一族の胎に潜む「奈落」。そうすることによってわかる謎。
・東堂家の女性は総じて短命
・東堂家の子は女子が圧倒的に多く、唯一の男子はセイジのみである。
・胎の「奈落」の体力は底なし。故に退治する術がない。

ミラを除く4人が謎を解明している間、オユウの中の痛みがまた彼女を苦しめる。
「ぅ……あぁ……」
「おねぇちゃん!!」
「……、もう、大丈夫」
今回の痛みはそう長くはなかったみたいで、すぐに引いたようだ。
「薬を飲まないと……」
「薬?どこにあるの?早く飲まないと?」
「大丈夫、もうすぐ来るから安心しなさい」
オユウがミラに対して、笑顔を見せた。
「こんなところにいたのか」
と、4人が顔を出した。
「ちょっと、情報を整理しましょう……」
と、神樹が言っている途中、部屋の隅の方で空間が歪み、何かが現れた。
「その前に運動でもやりまひょか」
「オユウさん、こちらへ」
空間の中から現れたのは、奈落(二体)と、その奈落に従えるように魔犬(二体)が現れた。
彼らが現れると同じくらいにオユウがまた苦しみだす。
「どうやら、彼女の中の奈落と共鳴しているみたいですねぇ」
「じゃあ、この奈落を倒せばおねぇちゃんの痛みは治るの?」
「治るじゃなくて、引くだな」
「どうでもいいから、早くやろうよ」

ミラ、ミキが奈落を抑えている間、魔犬がオユウを襲う!!
「見落としてもらっては困りますねぇ」
赤鬼の異名で通る、九鬼が魔犬の攻撃からオユウを守る。
魔犬に対しては、神樹と要が攻撃をしかける。
一つひとつと、敵が減っていく。そして、最後の魔犬が霧となり霧散していく、それと同時にオユウがふらつく。
「おねぇちゃん!」
「大丈夫よ、ちょっとめまいがしただけ」
その後、オユウは大事を取って休むことをした。


謎を解明してまた謎が浮かぶ。
奈落を抑えるため、常日頃から薬を服用する必要があり、その薬はどのような成分か。
本当に「奈落」は滅することができないのか。

・薬は一族の女の体力・体の状態により、オーダーメイドにて製造するため量産はできない。
・副作用としては服用すると、マナを先送りにするために寿命が縮むことになる。
・「奈落」は「闇」と呼ばれている。体力は無限大で能力値はAll5
・加護「ガイア」にてひきはがす事が出来る。その場合「ガイア」を使用した相手に取り憑く。
・その場合使用者はターン/6Lvのみ生存可能。(例:Lv5のガイア使用者に取り憑いた場合、1ターンもたずに取り憑かれた者は奈落化する。
・その時に取り憑かれた者と「闇」の体力は同調し、同値となる。

この情報を得るために、東堂家にいるジョセフ、セイジへと会うことにした。
ジョセフはオユウの教育係というか、年の離れたお兄ちゃんという存在だったみたいだ。今は東堂家から離れ、近くのマンションに住んでいる。
「あらやだ、オユウちゃんの事ぉ?そうねぇ、彼女も色々と抱えているみたいだし、本当大変なのよねぇ……」
と、マニキュアを塗りながら彼(彼女?)は言った。
「あなたたちも本当に色々と嗅ぎまわっているみたいだけど?文字通り何かを「探し求めている」みたいね」
と、一部分を協調させながらこちらを見た。彼はこちらがクエスターであることを知っているようだった。
「まぁ、いいわ。あなたたちなら彼女らの事を救えそうな気がするわ……」

セイジは東堂家に反旗を翻そうとしているみたいだが、周りには完全にばれているため、そこまで重要視されてないようだ。
「私は、あの家について我慢がならない!!あの親父の腑抜けぶりはどういうことだ!!このままだと、オユウは……」
と、憤慨していた。


「ということだ、どうだろうか?」
と、ミラ以外が悩ましげな顔をしている。ミラとオユウが4人の部屋に来る。
「おねぇちゃんの体調がいいみたいだから、皆で外に行こうよ!!」
ミラとも情報共有をしているのだが、またいつ奈落が現れるかわからないので、オユウの傍にいる。と言って絶えずオユウと一緒にいるのだ。
「皆さんもいきましょう?」
オユウが楽しそうにいうので、随行することになったのだ。

外は冬と春の中間くらいで、休日だからだろうか家族連れや学生が多い。
「外に出るのは、久しぶりです」
「へぇ~私は毎日のように外を走り回ってるよ~」
「元気ですねぇ~」
オユウとミラが二人並んで歩き、要と神樹は二人の少し前を歩いている。九鬼はオユウ達の真後ろだ。
「やだ、あのでかい人、ストーカー……?」
「警察呼んだ方がいいんじゃ……」
九鬼に対して、周りの人間は疑いの目を向けているが、その前の2人が楽しそうにしているのを見ると、安心したように興味を無くす。
「どう思います?九鬼さ……」
賛同を得るためにミラが九鬼を振り返った時、九鬼が腕組みしたまま真横に吹っ飛んだ。
「ッ!?」
―シールエリア!!
結界が貼られ、一般人が結界内で起きたことを記憶できないようになる。5人は即差に集まり、九鬼を殴り飛ばした相手を見る。
「この手段をとるしかないわけか……」
意識をうしなったオユウの首にナイフを突き付けるのは、オユウをずっと見てきたジョセフだった。
「おねぇちゃんを離せ!」
ミラが空間から剣を出し、構え吠えた。
「私は彼女を救おうとしているのよ?もう彼女には時間がない、彼女の体は正直いってもうすぐ奈落に喰い破られるわ。その前にこの奈落を殺さないと……」
「その身をころしたとしても、奈落を殺したことにはならないんでしょう?」
「そうよ、だからあなたたちにお願いがあるの」
「なんや」
「……ここじゃなんだから、場所を移動しましょう」
と、ジョセフは少し離れた場所を告げた、そこは戦国時代血を血で洗う戦が繰り広げられた合戦城跡地だった。


「で、どうするつもりや?……いや、そのまえにあんたのレベルをきかせてもらいましょ」
「18よ」
ジョセフは口の端を上げて、
「ガイア―この子の奈落を引き継ぐ」
願いを告げる。

「クハ、ハ、バカナヤツダ!!適応者デモナイクセニ、ソノミに我をヌ゛……」
オユウの体から切り離された「闇」がジョセフに取り憑こうと闇の触手を伸ばし、取りこもうとし始める。しかし、彼のオユウを救うという強い、強い意志がそれをとどめる。
「今のうちにやるんや!!」
その言葉を皮切りに5人が一斉にジョセフに向かう。
オユウ、九鬼、ミキがジョセフを後ろから神樹、要が援護する。
仲間たちが傷つき、ジョセフの体も傷ついていく。
時折、「闇」の意識がジョセフを乗っ取ろうとするが、ジョセフがそれを必死で喰いとめる。内から外から「闇」を攻撃する。

「グアア……、バカナ、コノ我ガ、……シカシ、コノ男ノ命ハ無イ」
ジョセフの命の灯が消えそうになる。なす術は無く、これが必然なのだ、それを覚悟で彼は選んだ。自らが咎人になることを。
「大丈夫、私に任せて。もうこれ以上哀しい涙は流せない……」


ガイア―ジョセフにもう一度、生命の灯を。


ミラが願いを言葉にすると剣が光を放ち、「闇」の触手を斬った。
「「闇」貴方だけが消えるのよ」
「バ、バカナ、コ、コノワレガァアア……」
(ありがとう、ミラ……)
どこからか聞こえた声、それはミラが会ったことのない東堂家歴代の女たちの想いだった。

「闇」は霧散し、消えた。
これで東堂家を縛る鎖は消え、自由という運命を手に入れた。


「どうかなぁ、おねぇちゃん……?」
ミラはおろしたての制服をオユウに見せていた。
「可愛いですよ」
「えへ、ありがとう。あ、体調はどう?」
「えぇ、随分と良くなりました。他の方々にもお礼を言っていてください」
「わかったー」
オユウの中にはもう奈落はいないが、服用していた薬の影響もありたまにぐあいが悪くなることがあるという。しかし、それについてもあと1年くらいでおちつくという。

「ミラ、ありがとう」
それはオユウの心からの言葉。それとともに一族の女を代表としての言葉だった。


アルシャードセイヴァー『キズナ』

                                                 
                                        ―完―
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雨に濡れて帰りました。兎です、濡れ兎ですよ(笑)

昨日の内にレポートを上げたかったんだけどなー、すんません……。

来月の定例会は
GM:兎
卓:不明
場所:南部市民センターB会議室
日にち:28日
時間:開場 9:00
   開始 10:00
   終了予定 18:30

は、は、はじめてのg-、じー、GMでしゅ!がんばります!
よろしくです!!
今月の定例会の連絡です、市民たち。

GM:ベベ
卓:アルシャード・セイバー
場所:南部市民センターC会議室
日にち:22日
時間:開場 13:00
   開始 13:30
   終了予定 17:00
午前中は予約が取れなかったので、午後からとなります。


音声からの打ち込みがまだ済んでません兎でs(ZAPZAPZAP

という感じにまだパラノイアに毒されています。まだまだかかりそうです、みんなが忘れたころにできあがりそうかも……。
ということで、今月22日お会いしましょう!!